GRM blog : 青森
日々のほとばしりから市井の美味そして旅のしおりまで
2019年3月17日16時08分
金曜日お昼に逃げるように東京を発って、やってきたのは青森。目標は冬の岩木山。午前中はピーカンだったのに、曇がかかってきたとおもったら、昼過ぎにはあれよあれよという間にホワイトアウトして吹雪く。無念、今年も1350mあたりで引き返しました。
ちょうど1年ぶりの山行で、雪の中でひとりヒイヒイ言いながら登る。気力体力の衰えを嘆き、日頃の不摂生を反省して、 この世の憂いを垂れ流しながら登る。そうして気づいたのは、体質の変化だった。
登り始めてすぐに額から汗がしたたれおちてくる。僕はあまり汗をかかない体質だったはずなのに、これは明らかにおかしい。ハードシェルの中は無駄に蒸してきて、汗が気化する速度と体温の釣り合いが取れていない。寒い、寒いのだ。
思い当たるのは、昨年夏から週3〜4回も通ってるサウナ。100度前後もある密室でポタポタと流れる汗を眺める快感に溺れているうちに、汗腺が増えてしまったのだろう。
山行は、水分の管理が全てだと思ってる。僕の山行の満足度の半分くらいは「うまく水と渡り合ったか」だ。無駄に飲まない、無駄に出さない。装備を整えて行動を制御し心を律することで、欲求を駆動させる「水」というエナジードリンクから解放されたい。
単純な話、水は入って出ていく。身体に水分を入れるためには、水を飲むことであり、これは自らの意思によって選択できる。しかしながら水が身体から出ていくのは、呼吸と汗、そして尿という不随意運動だ。意識と無意識、この両者を手中にする全能感は、カントがいうところの超越論的統覚の芽生えではないかと思ってる。
とにかく、オシッコは減らすべきなんだ。マイナスの風が吹き荒れる中、放尿して体温を下げる無意味さ。カシカシになったゴアテックスをめくるのは一仕事で、指先が固まるのが怖くて手袋は脱げないし、なによりもおちんちんのしもやけが怖い。
僕は、すこし喉が渇いているくらいでひたすら登る。水を飲むために休まない。汗をかかないくらいのスピードをキープして登り続ける。装備は、すこし寒いくらいで十分。疲れや渇き、暑さ寒さの感覚をすこし脇におく。
こんな自己啓発的登山だから、僕はソロばかりになってしまう。さてはて、サウナ通いはどうしましょう。
こちらもおすすめ