Tシャツにスニーカーの分際をわきまえる

ぶらぶらと、クライングフリーマンを回想しながら歩いていたら、眩しい店構えが目に入ってくる。この寿司屋さん、いつできたンだろうッ。

通り過ぎるもやっぱり気になって、戻って暖簾の隙間からチラリと覗く。広めの白木のカウンターだけ、若い店主ひとりに6名くらいのお客さんがニコニコしてる。皆さんシャツの仕立てが良い、ネクタイもキラキラしてる。おっと、ここは鮨か、寿司じゃなくて。

流石にこの時間からインするのはヤブというもンだ。お財布も心許ないし、なによりもTシャツにスニーカーの我が身の分際はわきまえているつもりだ。

しかしながら、エレクチオンしてしまった魂を抑えることができない。エイやッと、お店に入ってしまっていた。すいませン、ショップカードってあります?今度ゆっくりとお伺いしたくて。

若き店主そしてお客さん皆さんの眼が一瞬で集まる。お邪魔して申し訳ない、お店のオーラにハッと惹かれて入ってしまったのです。ありがとうございます、実はまだショップカードがなくって。

若き店主はカウンターから出てきてくださった。オープンしてまだ1ヶ月なんだとか。名刺を頂戴する。美味しいンですよ是非ッ、客さん達から盛大なお墨付きをいただく。僕もニコニコに混ざりたい。近くに伺ってみようかと思います。