日々のほとばしりから市井の美味そして旅のしおりまで
2009年10月12日 2時27分
来日のアヌーク・ファン・ダイク・ダンスカンパニーの公演「STAU」が観たく、先日の東京公演前日に電話をしたところ、見事にチケット売り切れ。どんなカンパニーでどんな作品なのか全く無知なのですが、チラシの文言にビビッときまして。
オランダから、観客をも巻き込むパフォーマンスの仕掛け人、アヌーク・ファン・ダイク・ダンスカンパニーがやって来ます。陽気でユーモラス、時に親密に、観客にせまりくるフィジカルなパフォーマンスにご期待ください!
今回紹介される「STAU」(=「独語」交通渋滞)では、ダンサーたちが観客の中に分け入って踊り、客席との境界を少しずつ取りはらい、空間を一つにしていきます。踊り手がどこまで、身体的に、精神的に観客に近寄ることができるのかを問う意欲作。
なんだかMUSTANG? チラシ文言って大事だ。
東京公演をどうにか見ようと裏技を駆使したのですが、公演内容によりどうもこうも難しいです、ということで、巡回する金沢21世紀美術館に公演日に合わせて行ってしまいました。
久しぶり、とはいえもう15年前以来2度目の金沢駅。これは変形しそうだ。
丁度美術館オープン5周年記念ということで、いろいろなイベントが開催されていました。こんなに人が沢山いる美術館ははじめてみた。ここは塀が無いのです。
ミニSLも走る。3輪だからC62かしら。
多分にとても個人的領域であるである(べき)「本格鉄道模型=蒸気機関の所有」が、ヒトをのせて走るという大義によって酷使されている情景は、矛盾を突き抜けた感慨深いものでした。
タレルの部屋。この親和性のあるフォントがぴったりの美術館だ。
昼タレル。10数年前に観た、水戸芸術館でのタレル展は良かったなぁ。僕の、初めての芸術洗礼でした。
タレルおじさんは、自分の作品を作るため上空から飛行機に乗って砂漠内の場所を探そうと思い立った。自ら飛行機を運転するために免許をとった。飛行機本体はおんぼろを購入、修理して飛んだ。高じて中古の飛行機をレストアし、それらを販売して生計を立てるまでになったそうな。
おぼろげな記憶ですが、作品の裏に隠れた「やりとげる力」を垣間見た展示でした。世田谷美術館だったかも。
その時その昔の作品は、作品の発する光が僕の眼へ届く間の空気がもっと濁っていたように思いました。なんだか、そこにスカッと在る今のタレル様。もうおじさんとは呼べない。