日々のほとばしりから市井の美味そして旅のしおりまで
2019年6月28日 22時00分
劇団どくんごが、今年も日本を回っている。いてもたってもいられなくなって、一昨日に山梨は富士吉田の小室浅間神社まで、車を飛ばして観にいってきた。相変わらずそこには凄い舞台があった。横浜公演が週末の6/30と7/1にあります。是非とも行ってみてください。
実は、彼らが6月に予定していた公演2箇所が中止になっている。劇団員に急病が出たためとFacebookでみて、もしかすると全て中止になるのではないか、そんな焦燥感が僕を富士吉田まで運んだ。
僕のどくんご観覧歴は、これで2回目だ。始まっておもいだす、2年前に感じた観劇感。ああそうだ、このじわじわと言語域が開拓されていく感覚。日本語が母国語の人生でよかったと思わせてくれる時間。
演者が独演で畳み掛ける言葉が早すぎて、意味の理解がおいつかない。とはいえ、不条理やナンセンスじゃない。しっかりと文意があり、文脈がある。だから、一足遅れて行間をつかみ取っていくことができる。ここまでは、まあありがちなんだけど(唐組とか)、不思議なのは、その遅れが突然セリフの理解と一致するときがあるのだ。さっきのあれと眼の前のこれとが脳内でつながる快感。そして「光がまぶしくなる」。
ストーリーは無い。どくんごにはお話はありませんよと、はじまりとともに丁寧に教えてくれる。たしかに、ない。ただし今回は明快なテーマがあったのではないだろうか。無常、生きる死ぬといったことだと思う。
もしかしたら来年はないのかもしれない、身勝手な思い込みがすべてを有終の美にすげ替える。こみあげてくるのは切なさだ。
これはネタバレじゃない。こんな僕の軽薄な文章なんか、本物には敵いっこない。もっと面白可笑くて、もっと重くて、もっと晴れやかだ。
劇団どくんごweb
http://www.dokungo.com/
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