シュッ、パンッ、ツツツゥポン、パン

神戸アートビレッジセンター「MUSTANG Colors」の公演日が近づいています。初日から数えると、残すところ2週間強。1月に入り練習は週3日ペースで進行中。

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全体の流れはほぼ決まり、現在は各シーンを崩しにかかっています。微調整というよりかは、ゴシゴシと線を消して、色を置き重ねる作業に近いかも。

練習で毎回のように同じ動きを繰り返していると、踊り込みの慣れから生じる「だるさ」みたいなものが漂ってきます。冷蔵庫の奥に紛れてしまった野菜の、あのクタッとした感じ。色や形でそれが「にんじん」とは分かるけれど、土から掘り出されたばかりのピンとした直線が、時間と共に重力に負けて微妙にひん曲がってしまったあの相違に似ていて、在り方や動きは同じなのだけれど、「いまここで」が平べったくなっていく。

いわば、自律性の減衰。先に何を為すと知っている演者は、意識せずに身体を予約させてしてしまい、結果「起こり」ばかりが連続してしまう。「間」がどんどん詰まっていく。

とはいえ、言葉とおりに「自律性を持って動こう」と謳っても、すんなりと「じゃあ」と飲み込んで変われるものではなく。「広い視点に立ち戻ろう」といった提言は、現場ではほとんど生産的に働かない。

なので、今は初めに書いたその線への愛着を捨てて、動きとの実直な身体の反応を見直しています。
「シュッ、パンッ、ツツツゥポン、パン」
とか
「トン、トントントン、トトン、バンッ」
といった擬音で動きを再構築しています。

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悩ましく床を見つめる手前は、演者陣のフロントを努める住吉くん。奥ではゴーヘッド・パラレル(ハコ)を並べて、テスト中の公演スタッフお三方。

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写真左より、舞台監督の浜村さん、今回ゴーヘッドの新機構を開発のマスラックス久世さん(@kuzeshozo)、ゴーヘッド新機構の操作と映像デザインを担当する松本さん(@Akihik0Ma)。

新機構、凄いです。

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タグチヒトシ
演出家。パフォーマンスグループ GRINDER-MAN代表。リアルタイムなライフログはFacebookにて。YouTubeにてダンス映像 Dance Brew を配信中。