日々のほとばしりから市井の美味そして旅のしおりまで
2010年8月20日 12時30分
2011年2月に神戸アートビレッジセンターにて新作「MUSTANG Colors」を発表します。その上演にむけて「プロジェクトColors」を始動。まずは10月16(土)、17(日)にワークショップ/オーディションを開催します。
公に、半年もの時間をかけて公演作品の制作にあたるのは、活動以来今回が初めて。主催である神戸アートビレッジセンターさんのご理解、そして実現にむけたご尽力に心より感謝を申し上げます。
初演から5年が経過したMUSTANGシリーズの、ひとつのピリオドにふさわしい作品にするべく、これから注力していきます。以下チラシに寄稿した僕の文言。
最近はゴーヘッド(立方体のハコ)をかぶることよりも、脱いだ後に染み出てくる演者それぞれの人柄が、僕の創作に刺激を与えてくれます。各々の我が混じり合い、彩りになって音と光に交差する。[MUSTANG Colors]では、そのもつれた色味同士の見えない壁が見える、そんな青写真を引いています。
今回のワークショップ/オーディションでは、一番身近で誰もが持っている身体のみで、瞬間にどう居るかを説きたい。ワタシはアナタにどうやって呼びかけるのだろう、お約束無しで。言葉が物語を紡いでいく演劇よりも、身体で語りあう様はダンスに近いのかもしれません。
思いっきり動きたい、ハコをかぶってみたい、大歓迎です。
今世紀に入り、ワークショップという言葉が良く聞かれるようになりました。広く門戸を開放して、対話を通して実体験を共有する。ワークショップ開催の目的はそんなところにあるかと思いますが、これも時代の風潮かしらん。僕の大学時代、90年代にはほとんど聞かれない言葉でした。
そもそもワークショプとは何なのか。ホニャララ教室と何が違うのか。
一つに開催会場が固定されていないこと。美術館から小学校、町おこしイベント会場などなど、場所性に左右されない。ウチはどこどこのビル何階でしかワークショップやりませんってのには、違和感があります。
もう一つは内容の再現性に担保がないこと。ワークショップをサーブする側(=講師)のほとんどは教育者ではなく、主となる活動は別にお持ちだったりします。彼らのスキルに裏付けられた枝葉が内容と直結している。が、彼らにとってワークショップは義務ではない。「今回はこれであるが、次回はどうかわからんぞ」といった一回性が魅力。
いずれにせよ主役は参加者です。創造物を享受する行為は、作る側から受けとる側へと一方向なわけですが、ワークショップでは「もっと知りたい」という受けとる側の好奇心ありきで、講師と参加者がお互い敬意を保ってわいわいできる。ワークショップが現代の社会に受容された理由は、主にそこかと思います。
今回、僕が望むもうひとつは、主役はあなたでもなければ僕でもなく、対等な目標の前にまずは懐を探ってみたい探ってもらいたい出会い。ここでいう目標とは、2011年2月の公演のこと。舞台というものは観客という第三者への問いかけであり、彼らの眼に投げかけるのは、我々(僕と参加者)のわいわいではなく、我々の「今回はこれ」。うーん、これはもうワークショップとは呼べないなあ。
そんなこんなに見合う言葉を探して「オーディション」という言葉にたどり着きました。映画「コーラスライン」のような、テンポ良くスキルを計ることはするつもりはありませんけれど、「若干名の採用を視野に入れて」のワークになります。
募集は9月1日から。皆さまとの出会いを心より楽しみにしています。
2010年10月16日(土)〜17日(日)全3回
神戸アートビレッジセンター
ワークショップでは、自己の身体に向き合うワークからはじめ、接触による他者との意思疎通を探りながら、パフォーマンスに使用するゴーヘッド・パラレル(立方体のハコ)を用いて複数人との関係性へ発展させます。さらにオーディションでは、参加者からなる3人1組チームを構成して、共同思考による創作、発表を行います。
MUSTANG WORKSHOP
2010年10月16日(土)13:00〜16:00
周囲に自己を開いて、全身を動かして直感を共有すること。言葉を使わないギブアンドテイクを体験してみませんか。
対象:身体表現に興味のある高校生以上の健康な男女
MUSTANG AUDITION
2010年10月16日(土)18:00〜22:00 / 10月17日(日)13:00〜17:00
2011年2月に発表の新作公演[MUSTANG Colors]へむけて、若干名の出演採用を視野にいれた舞台表現経験者のための身体ワーク。
対象:18歳以上、3年以上のダンス・演劇等舞台経験者