君は、テクノ歌謡を知っているのか

ZINSAYのバーバパパが聞きたくなってYouTubeで検索しようとしたのだけど、そうか僕は曲が聞きたいんじゃなくて、あの当時を思い出したいんだというリビドーを知覚して、戸棚の上にあるCDの詰まったほこりまみれのダンボールをあさる。残念ながらお目当てのCDは見つからなかった。友&愛の処分セールで買った昭和最後のテクノ歌謡はどこにいってしまったか。

出てきたのは「イルボン2000」。学芸大学に住んでいた女子から「こうゆうテクノのやつ、好きなんでしょ?」と2000年に貰ったもの。裏のバーコードにサンプル版のシールが貼ってあるのに気づいて、当時の訳アリの関係を思い出してしまう。

正直なところ、「出演作品・音源ダメ」には違和感がある。建前として自粛は仕方がないのは理解できる。気になるのは、これ見よがしに「ドラッグダメって知らないの?」といった法の威を借りる姿勢だ。僕らはそれまで、ドラッグのちからによって生み出されたものを楽しんでいたんじゃないのか。ご本人やその制作物を消費して、経済を流転させて、僕らは次のドラッグのお代金を支払っていたのだ。間接的に僕らだってドラッグを享受していた共犯者じゃないのか。

アルコールやドラッグといった外部のちからによって制作されたものは確かにある。身体にも法にも摂取するリスクは既知なわけで、しかしながらそれはなされてしまう。なぜなのか。日常を超える、それが創造に豊潤もたらすのだ、たぶん。儀式としての摂取があり、いわば彼らはシャーマンなのだ、たぶん。授かったものを、お告げとして衆に伝播させていくお役目。身を粉にして僕らに啓示を与えてくれる。

はい、論が飛躍しているのは、ただいま僕がアルコールを摂取しているセンチ・メタル・ボーイだからです。水金地火木土天海冥、ツッツー。ダブルユーの復活おめでとうございます。

センチ・メタル・ボーイ – キララとウララ
https://www.youtube.com/watch?v=IBlKJBPPDPk
センチ・メタル・ボーイ W(ダブルユー)
https://www.youtube.com/watch?v=Gk_80e7vTsM

タグチヒトシ
演出家。パフォーマンスグループ GRINDER-MAN代表。いまの生き様はFacebookにて。YouTubeにてダンス映像 Dance Brew を毎週火曜日に配信中。