彼はバイクにのり彼女はそのうしろに乗ってギュッとしがみつきたい

茨城県近代美術館「筑波大学<総合造形展>」へ。オープニングとあわせて開催された総合造形の同窓会へ、水戸まで行ってきた。まだまだお元気な先生方へ拝顔、そして諸兄諸姉へご挨拶。

奇想天外! アートと教育の実験場 筑波大学〈総合造形〉展

期間:11月3日(木)〜1月29日(日)
会場:茨城県近代美術館
http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/

展覧会の内容は、総合造形の起源からはじまり歴代先生方の作品群の開陳、各時代の授業の内容、そして卒業後にご活躍の作家陣(岩井俊雄さん、明和電機さん、クワクボさん他)の作品展示で構成されている。当時はそれが日常だったけれども、こうやって振り返ってみると、僕がいた1990年代の総合造形は最高にアバンギャルドな時期だった。授業中は先生も生徒も教室でタバコをすぱすぱ吸っていて、機あるごとに教室の外で火を起こして芸術談義に花を咲かしたっけ。

僕の出自である総合造形には「パフォーマンス実習」という授業があった。今でもあると思います。通年行われる授業では、毎週誰かが持ち回りでパフォーマンスをして、そして毎年秋には学内で発表会を実施するのが慣わしだった。今回の展示で一番こころがときめいたのは、僕の代の発表会のチラシである。96年11月7日「tour de GOLGOL」、あと数日で20年が経とうとしてる、この原本は誰が保管していたのか、すごい。思わず監視員さんに頼みこんで写真に收める。

チラシには「ガイドが案内するツアー形式」って書いてある。あら今とやってることはあまり変わらない。これが僕の原点なのだろう。

展示には歴代のパフォーマンス発表会の映像も流れていて、そこには僕のパフォーマンスも入っているようなのだ。ようなのだ、ええ、僕は観ませんでした。展示室奥のモニターから僕の音声が聞こえてきた途端、あの日の記憶がふわっと蘇ってきて、恥ずかしくて恥ずかしくてモニターに目を移すことができなかった。大学5年のあの頃の迷走が思い出されて、こそばゆいったらありゃしない。

パフォーマンスの題名は「彼はバイクにのり彼女はそのうしろに乗ってギュッとしがみつきたい。」、ラノベみたいなタイトル。若さ、若さってなんだ。振り向かないことさ。