アートに「ちから」は、あるのか

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2011年4月15〜16日「アートのちから」パフォーマンス、全3回を終えました。

東北地方太平洋沖地震震災復興応援企画 「アートのちから」についてご報告
2011年5月10日

みなさまへ

スパイラルでは去る3月22日〜4月29日、東日本大震災からの復興応援企画として「アートのちから」を開催いたしました。

期間を通し、100組を超えるアーティスト/アート関係者にご参加いただき、メッセージの展示と作品・商品販売およびダンスパフォーマンスを実施、約8000人の方々に
ご来場いただきました。みなさまには、ご賛同、ご協力をいただきまして誠にありがとうございました。

4月末段階での、作品・商品の売上、義援金の総額は下記のようになりましたのでご報告申し上げます。
これは全額、日本赤十字社を通して被災地に送らせていただきます。
被災地の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

東北地方太平洋沖地震復興応援企画「アートのちから」
3月22日〜4月29日

義援金 2,200,990円 ※4月30日現在
来場者数 約8000人

15日の初日が終わり、なんだかしっくり来なかった。初日だからのたどたどしさ、内容の善し悪しからというより、イベントの主旨と実が噛み合ってない感触。どうもこれは「復興応援企画」と冠をつけただけのショーケースではあるまいか。

その夜、出演者10名ほどで渋谷で飲みに繰り出しました。その席で「義援金を直にもらおう」という提案が出演者の伊藤キムさんよりありました。なるほど、それがこの胸のつかえをぬぐう解かもやと合点すると同時に、そこまでしてしまうと恩着せがましいのではないか、といった一憂が心をよぎります。

今回は約1週間ほどの募集で約30名の出演者が集まりました。正直そんな大勢になるとは思っていなかった。その中には「本番一回だけしか参加できないのですが」「本番当日しか行けないのですが」という方も。

震災により騒然となった今、なにか自分ができることはないか。僕自身も含めて、そんな自らへの問いが「参加する」という気概を生み、自分の営みが「何かの」「誰かの」為になった実感を欲していたのだと思います。

アートのちからって、一体なんなんだろう。

きれい、感動、楽しい。強大な自然の力を目の当たりにして、今はそんな形容詞が美辞麗句に聞こえてしまう。もっとあからさまで、実体をともなった行動でいいじゃないか。僕らが媒体となる、主語のあるお金のやり取り。「わたし」から「あなたへ」の間をつなぐ、その機会を出演者自身が生み出す姿勢が今こそ必要なのではないだろうか。

意を固めて、翌日16日の昼夜2回ではパフォーマンス終了後に出演者が帽子を持ってお客さんの周りを回り、直に受け取りました。集まった義援金は、昼:¥40,134円/夜:¥72,470円。お預かりした義援金は、スパイラルさんにお渡ししました。日本赤十字社を通じて被災地に送られるということです。

ご来場下さいました方々、そして義援金をお寄せくださいました方々に心より御礼を申し上げます。
まことにありがとうございました。

最後に、この度発表の機会を与えてくださったスパイラルさん、そして短時間の練習にもかかわらず、素晴らしい本番力を生み出した出演者の皆さんに心から感謝を申し上げます。

タグチヒトシ
演出家。パフォーマンスグループ GRINDER-MAN代表。リアルタイムなライフログはFacebookにて。YouTubeにてダンス映像 Dance Brew を配信中。