MUSTANG Singapore ~ 会話と汗と、酒スパイラル

用意7割、作業3割という言葉があります。人によっては用意8割、作業2割とも言います。現場で焦っても事は遅し、事前の準備を十二分にしてこそ、良い仕事が生まれる、という意です。僕が初めて聞いたのは、大学時代の看板屋の社長からですが、どこの世界にでも共通する格言だと思います。作業用にインパクトドリルを持っていくならば、ちゃんと充電はされているか、予備の充電池もトラックに積んだか、ビットも2つくらい持っていくか、そういうことです。

パフォーマンスのような舞台芸術も同じです。本番に近づくにつれ、かかわる人数が多くなっていきますから、音響・照明や舞台の使用方法、観客のケア等々について、事前に明確な方向性を伝えなくてはなりません。また、仕込みの現場でスタッフが迷わないよう、ある程度のトラブルも視野に入れ、AプランのみならずBプランも考えておきます。それはパフォーマンスの内容を試行錯誤するとは別の脳を使う。

だから、といってはナンですが、パフォーマンス内容については東京で十二分に迷っておくわけです。これは準備7割の内、およそ4割くらい。

ここは都内の会議室、あえて和室。ワークショップ後に考察した内容について、打ち合わせをします。言葉を使い、まずは精神を補強。4割を100%とすると、そのの内約20%。

お手製のプリントをもとに、イメージを説明していきます。机に広がるのはシンガポールのお土産。

ふまえて肉体練習。ラストシーンの作りこみ中。

お互いが落ち着くところまで、細かいタイミングや動きのヒダを試行錯誤。4割の内、およそ70%。

練習の帰り際の「軽く一杯っ」が、いつのまにやら2件目へ。4割の内、残りの10%。計算すると、全体の4%は多いのか少ないのか。

「最近さ、伊丹十三のエッセイ本が面白インよ」
「あ、女たちよ!じゃないですか!?」
「そうそう、自分たちよ!ってのまであるんだよねー」
軽い一杯は、いつのまにやら午前1時。この日の辻説法は高円寺にて。

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タグチヒトシ
演出家。パフォーマンスグループ GRINDER-MAN主宰。最新情報はFacebookにて。